ヒレンジャク

Bombycilla japonica/

当たり年

 

鳥の当たり年という言葉が存在する、渡り鳥には年により飛来数が大きく違う事が有るのだ、レンジャクはその最たる種かもしれない。前年は全く見られなかった彼らだったが、このシーズンは12月の早い時期から各所で見られ、ある日どのくらい見られるかと地域を廻ってみた、すると目をつけていたホサキヤドリギの付く林の半数以上で群れを確認、総数600羽ほどを数えた、そしてそれ以降フィールド内で十数カ所、1千羽を有に越える姿を見る事が出来た。

特にヒレンジャクはその学名を見ると分かるように日本の鳥と言える、その生息地は極狭く、繁殖は中国東部、日本海沿岸の狭い地域で、冬は朝鮮半島と日本のみに渡る、そうするとその大半の飛来地日本で年により見られる年と見られない年に大きな違いが有ると言うのはどういう事なのだろう?


繁殖地のその年の気候で繁殖数が大きく違うという説も有るが、それだけでは極端な飛来数の違いは納得いかない。渡り途中、そのタイミングの気候・気流の違いで渡りルートが変わるのか?私はその方が可能性が高いように思う。また、ヒレンジャクとキレンジャクについて・・・、西日本にはヒレンジャクが多く、東日本にはキレンジャクが多いと聞く、中部地方であるこの地では両種が見られるのだが、以前はキレンジャクが較的多くみれらた記憶が有る、それが近年ほとんどがヒレンジャクとなっている、この両種の飛来地域の変化も興味あるところです。

ホサキヤドリギの森

ホサキヤドリギの黄色い実が宿主の樹を覆うように、まるで小さな森のごとくたわわに実る、そこに群れでやって来たヒレンジャクたち、我先にとその実を啄む姿はなかなか迫力さえ感じる、そして1日1日とあれだけ実っていた実があっという間に食べ尽くされる様子は見事とでも言えば良いのだろうか。