ケリ
Microsarcops cinereus/
田園にて
田んぼでの子育て
ケリの子育ては、まだ耕作前の田んぼの中で始まる。とある年、水の入り始めた田んぼの真ん中に回りより少しだけ高く盛り上がった上にケリがうずくまっている姿が見られた。そしてその数日後、当然の事ながら耕作作業が始まった。農家の方もその巣に気がつき、その巣を巣ごと畦に移してくれたのだが、残念ながらその親鳥は抱卵をあきらめてしまった。この年最初の営巣の失敗である。しかし彼らは失敗後、すぐに新たな営巣を始め、その年も無事にヒナが巣立つ事になった。「もう少し遅く営巣を始めればいいのに」と言うのは人間の勝手な言い分であるが、彼らはそれでもたくましく生きているようだ。